かぴこと子かぴの徒然日記

読んだ本など徒然なるママの隣で蜩が鳴いているカナカナカナカナ?

えっと、あたし、おかあさんです。

絵本作家、のぶみ氏が作詞、元うたのお兄さんである横山だいすけさんが歌う

「あたし おかあさんだから」

と言う歌が、Twitterを中心に批判されていますね。

のぶみ氏と言えば、絵本「ママがおばけになっちゃった」、NHKのおてて絵本のイラストなどで有名な人。書店でも売上の上位にいるようです。が、今回は絵本の話ではなく

『あたし おかあさんだから』

について、考えたいと思います。「ママがオバケに~」は、既にたくさんの方が意見を出していらっしゃることもあって後回し…。

まず、「あたし おかあさんだから」の歌詞を見てみたいと思います。

 

一人暮らししてたの おかあさんになるまえ
ヒールはいて ネイルして
立派に働けるって 強がってた

今は爪きるわ 子供と遊ぶため
走れる服着るの パートいくから

あたし おかあさんだから
あたし おかあさんだから

眠いまま朝5時に起きるの
あたし おかあさんだから

大好きなおかずあげるの
あたし おかあさんだから

新幹線の名前覚えるの
あたし おかあさんだから 

あたしよりあなたの事ばかり
あたし おかあさんだから
あたし おかあさんだから

痩せてたのよ おかあさんになる前
好きなことして 好きなもの買って
考えるのは自分のことばかり

今は服もご飯も 全部子供ばっかり
甘いカレーライス作って
テレビも子供がみたいもの

あたし おかあさんだから
あたし おかあさんだから

苦手なお料理頑張るの
あたし おかあさんだから

こんなに怒れるの
あたし おかあさんだから

いいおかあさんでいようって頑張るの
あたし おかあさんだから

あたしよりあなたのことばかり
あたし おかあさんだから
あたし おかあさんだから

もしも おかあさんになる前に
戻れたなら 夜中に遊ぶわ
ライブに行くの 自分のために服買うの

それ ぜーんぶやめて
いま あたしおかあさん

それ全部より おかあさんになれてよかった
あたしおかあさんになれてよかった
あたしおかあさんになれてよかった
あたしおかあさんになれてよかった
だってあなたにあえたから

 (書いていてあたしおかあさんだからがゲシュタルト崩壊してきた…)

 これを、元うたのお兄さんである横山だいすけさんが歌っています。
どこからどう切り込めばいいのか分からなくなるくらい、スゴイ歌詞なんですが…。

まずは冒頭

『一人暮らししてたの おかあさんになるまえ
 ヒールはいて ネイルして
 立派に働けるって 強がってた』

働く女性全員にケンカ売ってませんか?売ってますよね?

特に

『立派に働けるって 強がってた』

という部分。立派に働けるって 強がっていたということは、立派に働けてはいなかった、という表現です。

「でも、立派におかあさんやってるよ!」と応援しているんだと言いたいのかもしれませんが*1*2、ひとつのことを上げるのに、もうひとつのことを下げる必要はありません。

この部分、女性全般に対して失礼です。

続けて

『今は爪きるわ 子供と遊ぶため
 走れる服着るの パートいくから
 あたし おかあさんだから』

と言う歌詞が出てきますが、これもまた失礼です。どんな服を着てパートに行こうが自由です。走る人はヒール履いても走ります。
だいたい、最初に『立派に働けるって強がってた』人が『パートいくから』『走れる服着るの』ってどういうことなんですかね?
パートは立派な仕事じゃないって言う意味なのか、それとも正社員ではドジでノロマなカメだけど、パートならなんとかなるよ!って言うことなのか…。
ちょっと理解できません。
もうひとつ、『子供と遊ぶため』という部分。あとで効いてきますのでちょっと頭の片隅に置いといてください。 

このあとに続く

『あたし おかあさんだから
あたしよりあなたの事ばかり』

…突然、出てきた「あなた」って誰ですか?
少し前まで「あたし」視点で「子供」と遊ぶ歌でしたよね?
いきなり出てきた「あなた」は誰?
…まぁ、子どものことなんでしょうけど…。ちょっとホラーです…。

眠いまま5時に起きて、大好きなおかずもあげて、新幹線の名前覚えて…甘いカレー作って、子ども番組しか見ず、苦手なお料理頑張る…。
呪いですか。これを子ども番組で流すって、誰に対する呪詛ですか?

『今は服もご飯も 全部子供ばっかり
 甘いカレーライス作って
 テレビも子供がみたいもの』

少し前に突然出てきた「あなた」が消えて、また「子供」に戻っています。
…だから「あなた」って誰なんだってばよ!

『あたしよりあなたのことばかり
 あたし おかあさんだから
 あたし おかあさんだから』
と思ったらまた出てきた。まぁ、サビ部分なので仕方ないかもしれませんが…。

『もしも おかあさんになる前に
 戻れたなら 夜中に遊ぶわ
 ライブに行くの 自分のために服買うの

 それ ぜーんぶやめて
 いま あたしおかあさん』

もし、母親になる前にもどれた『なら』、やりたいことは「夜中に遊び」「ライブに行き」「自分のために服を買う」。
ということは、母親は「夜中に遊ばない」「ライブに行かない」「自分のために服は買わない」んですね。
ケンカ売ってますよねぇ?母親に対して、どんな幻想を抱いていてもそれは個人の自由ですが…。ケンカ売ってますよね?のぶみさん。

続きます。
『もしも おかあさんになる前に
 戻れたなら 夜中に遊ぶわ
 ライブに行くの 自分のために服買うの

 それ ぜーんぶやめて
 いま あたしおかあさん

 それ全部より おかあさんになれてよかった』

もしも過去に戻れたなら、私は~するだろう。それも楽しかっただろうけれど、私はお母さんの道を選んだ。
ではなく、
もしも過去に戻って~できたとしても、私はお母さんの道を選ぶ。
でもなく、突然
「それぜんぶやめて いま あたしおかあさん」
突然すぎる。
日本語が崩壊している。
論理が著しく破綻している。

だから、押しつけがましいとか思ってしまうんだろうなぁ…。
そして衝撃(?)のラスト。

『あたしおかあさんになれてよかった
 だってあなたにあえたから』

だ~か~ら~。また突然出てきた「あなた」って誰だよ!! 誰ですかよ!
もう…。怖すぎる…。
空っぽのおなかに向かって話しかけてそうなイメージ。
そう、対象がないんだ。この歌には。

 

長くなってしまったので歌詞の考察のみにとどめました。
続きます…。
続きます…。
続きます…。

*1:実際、フェイスブックのページでそのように書かれていました

*2:現在(2018.12.6)は削除されているようです。

『あたしおかあさんだから』歌詞への批判受け、絵本作家のぶみさんがコメント 「これはママおつかれさまの応援歌」