かぴこと子かぴの徒然日記

読んだ本など徒然なるママの隣で蜩が鳴いているカナカナカナカナ?

風船さんとグリーフケア

長女さん、2歳9ヶ月。絶賛アンパンマンエイジです。

お店でもらったアンパンマンの風船が大のお気に入りで、毎晩寝るときに
「おやすみなさい、風船さん。いい夢見てね」
なーんて、可愛いことを語りかけていました。
 
そのアンパンマンの風船が。
ある日、玄関からふわぁっと。
飛んでいってしまったのです!
 
すぐに泣くかなと思っていたら、
「遊びに行くのね。行ってらっしゃ~い」
と、手を振っていたので、少し安心。していたら、しばらくして無言になり
「風船さん、飛んで行っちゃったね」
「風船さん、どこに行ったのかな」
「風船さん、もう会えないの?」
と、次第に涙声になり…。
「私の風船さん、飛んでっちゃった!いなくなっちゃった!」
と大号泣。
この泣きかたは初めてでした。
嘘をついたり、誤魔化したりは効かない子だし、私も適当なことでお茶を濁すのは嫌なので、しばらく背中をさすりながら泣きやむのを待っていました。
少し落ち着いてきたかな?というタイミングで声をかけようと思っていたら、長女さんの方から
「ねぇ、お母さん、私の風船さんはどこへ行ったの?」
と、顔を上げて聞いてきました。どう答えたもんか、と考えたのですが、素直に答えるのが一番かな、と思い
「どこへ行ったんだろうね?お母さんも分からないけど、晴れていたら探しに行こうか?」
と言うと
「うーん。きっと、風船さんのお家に帰ったんじゃないかな。風船さんのお父さんとお母さんが待ってるんだよ。私のおうちに遊びに来てくれてたんだもん。明日、風船さんのおうちを探しに行こう」
そう、長女さんは言いました。
そして、
「じゃあ、お母さん、おやすみなさい。いい夢みてね」
と、パタッと寝てしまいました…。おーい、お風呂とパジャマと、歯磨き…。
まぁいいかー。一日くらい。
結局、長女さんは起きなかったので、そのまま寝かせておきました。
 
翌日。
長女さん、次女さん、私の3人は、風船さんのおうちを探すという名目でお散歩へ。
公園や路地を覗いては
「ないねぇ」
という長女さん。
最後に空を見上げて
「そっか、風船さんのおうちはお空だね。私、飛べないから行けないや」
寂しそうに言うので、また泣くかな?と思っていたら、
「大きくなったら飛べるように、がんばるよー!待っててねー!風船さーん!」
と、大声で叫んで、
「じゃ、美味しいもの食べにいこっ。大きくならなくちゃだから」
それ以降、風船さんがいないと泣くことはありません。
風船さんのお家に飛んでいけるようにはどうしたらいいか、毎日のように聞かれてますが。
道具を使わずに、風船のようにふわふわと、鳥のように思うままに飛んでいける方法をご存じの方がいらっしゃいましたらご一報下さい…。
 
それはさておき。
この一連の流れ。彼女なりのグリーフケアなのかな、と思いました。グリーフケアというと大げさかもしれませんが、でも、グリーフケアという言葉が一番しっくりくるかな。
大好きなものに対する初めての喪失。それに伴う感情の処理。それはどんなに小さくても自分一人で行わなければいけないんだと思います。
周囲はその手助けができるだけ。
長女さんは、ひとりで見事にやってのけました。
彼女の頭の中で、どんな処理が行われていたのかはわかりませんが、大好きなものと二度と会えないと言うことを理解し、それを悲しみ、そこから立ち直るのはものすごいエネルギーが必要です。
長女さん、ひとりでやってのけました。
本当に凄い!またひとつ、成長したねぇ。